2011年8月4日木曜日

良かれと思ってしたことが、必ずしも喜ばれるわけではないこと

デザインの仕事で「てにをは」を直したり、色使いを整えたり、いわゆる「良か
れと思ってしたことが裏目に出た」という経験をして、そういうことを するの
を止めた。


デザインの仕事というのはお金を払ってくれるお客様が一番大事だ。
デザインの理論として正しい事でも、お客様が喜んでくれないのであればやるべ
きではない。
一流のデザイナーにもなれば、そのあたりの塩梅はうまくやれるのだろうけど、
自分は一流じゃないしね。
だから「これは明らかにおかしい」と思う場合でも、とにかくお客様の希望通り
に作る。
日本語的に文法が間違っていても、まずはそのまま作る。
運が良ければ、お客様の周りのスタッフの助言で文章が訂正されたりする。
お客様が自分で間違いに気づく場合もある。
色使いに関しては、やって見せないと理解してもらえない場合が多い。
その色の組み合わせは気持ち悪いよ・・・とやる前からわかっていても、やる前
にそう説明したところでお客様は気分を悪くするだけだ。そういう場合 は、
「まず指示通りの色使いで作ったもの」「自分の感性で良いと思うもの」「他社
のパクリ、いわゆるよく見かけるスタイル」の三案を用意する。
結果的にどれが選ばれたとしても、自分が得る収入は変わらない。お客様に対し
てもカドが立たない。


こういう処世術(世渡りの極意)をこの年になって理解したところで、ちっとも
嬉しくない。
もっと若い頃から知っていれば、もうちょっと別の人生を歩めていたかも知れない。


まぁ、偉そうな事を書いているが、上には上がいる。自分の技術やノウハウなん
てたかが知れている。
今は自分や家族が生きていくために、頭を下げる。人生、やく半分を生きてみ
て、正直者は馬鹿を見る、それが世の中だと悟った。
誰にも頭を下げなくていい、お金の心配がない、そういう生活をしてみたいとは
思う。
でも、それを実現できるのは一握りの人たちだけ。
自分はそれを掴み取れるだろうか?
たぶん死ぬまでもがくんだろうなぁ。

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