本日無事納品が完了し、まったりとしているところ。
昨日遅くなったのは、急に夜の印刷が決まったからだ。
印刷工場は春節目前で非常に忙しい。
順番待ち状態である。
納期が迫っているので、とにかくいつでもいいから早く印刷してくれ、と工場に
は頼んでおいた。
昨日は本日納品したモノの生産加工作業への立ち会いで、作業が終わったのが5
時過ぎ。
じゃあ開発区へ帰るかな、と思っていたら工場長から今夜印刷するから立ち会う
か?との質問。
もし断ると次はいつ印刷するかわからないから、もちろん「対」と答える。
さらにラッキーなことに明日の納品に間に合わせるために、この後残業で作業が
あるとの話。
印刷が始まるまで残業を作業を見てればいい、と軽く考えていた。
印刷し終わった紙を型抜きする作業。
最初に型の位置調整をして、紙を打ち抜く。
出来上がりを確認。
何度か調整してもらってOKを出した。
この後はただ紙を打ち抜く単調な作業が続く。この作業は放っておいても大丈夫
なので適当なところで食事にでかける。
夕食は麻拉豆腐かけごはん。5元なり。日本なら丼なんだろうが、こちらでは皿
盛りである。
量が多すぎて食べきれなかった。
食事を終えて戻る。まだ作業は続いている。
まだかかりそうなので、守衛所へ行くことにする。
守衛所は門の横にある。
煉瓦造りの古い建物だ。
中はほとんど倉庫のようだが、古びた机と椅子、そして中央にダルマストーブが
置いてある。
ダルマストーブは日本なら豆炭を燃やすのだろうが、ここでは薪を使う。
20畳以上の広さの部屋だが、ダルマストーブが一つあるだけで非常に暖かい。
工場には男女一つずつの寮があり、それぞれダルマストーブがあるのだが、寮生
はよく守衛所へ遊びに来る。
工場は24時間操業。
昼間と夜の2シフト制。
印刷工場の労働はなかなかきつい。
立ったままの作業である。
そして職人の世界独特の上下関係がある。
最初は見習い工から初めて、助手、機長と出世していく。
機長は印刷機運用の責任者である。
助手は印刷機の操作も行うが、主な作業は一定枚数印刷する毎に印刷済みの用紙
を抜き出して、検査台まで持ってくるという役割がある。
見習い工は用紙のセットやPS版(印刷の版)の清掃を担当する。
印刷機が回り始めたら後は機械が自動的に印刷するから楽だね、と思うかも知れ
ないが、実際はそうではない。
紙詰まりや、印刷の汚れや色むらなど様々な問題が発生し、その都度印刷は中断
される。清掃や調整を行なって印刷再開。しばらくするとまた問題発生。この繰
り返しである。
大連の主な印刷工場ではハイデルベルグ製の印刷機を使っており、コンピュータ
制御である。
印刷位置調整や色調整などは楽だが、安定した印刷を行なうはなかなか大変だ。
私が普段やっている立ち会い作業というのは現場でダメ出しをすることだ。
印刷の汚れやかすれ、色の変化など刻々と変化する印刷状態に対して許容範囲を
超えた場合、すぐ印刷を止めてもらい調整してもらう。そうすることで不良品数
を減らす。
工場のスタッフからは煙たがられるが、良品を確保するにはこの方法がベストだ
と思っている。
もちろん出荷前の検品は厳格だ。
ここまでやると中国の一般の工場でも日本の基準に合格するだけの品質を確保で
きる。
もちろん日系企業は自社で日本式の厳格な生産管理をやっているので品質は万全
であるが、我々の場合、中国の一般の工場で高品質な製品を生産できるというの
がウリだ。価格競争力には自信がある。
自社で工場を持たないからリスクも最小限である。
話が脱線した。
とにかく面倒な仕事だがやりがいはある。
勤務時間が一定でないのが玉に瑕だけど。
明日は朝から中国語の授業だ。
その後はゆっくりと休むとしよう。
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