2008年5月30日金曜日

金州ぶらり一人旅

金州の工場での仕事を終わりバスに乗る。


105路のバスはのんびりと走る。
私が降りるのは終点の桃園。
だが、この日のバスは桃園の手前で左折した。


しまった!乗り間違えた・・・


大連のバスは、たまに「加車」と表示したヤツがやってくる。
いわゆる「臨時のバス」だ。
「加車」はたいてい始発終着の停留所が正規のルートから外れている。
この日乗ったバスは105路の加車だった。
加車は朝晩の通勤時しか走らないと思っていたから油断した。


正規のルートを逸脱してから最初の停留所で降りればよかったのかも知れないが、
せっかくなので終点まで行ってみようと思った。
バスは荒野(荒れ地)の中を目の前の山に向かって走っていく。


突然左側の荒れ地に迷彩塗装された軍用車両が見えた。
指揮車みたいだ。上のほうにパラボラアンテナが付いている。
一台だけじゃない。ざっと見ても10台以上いる。
ネット(網)が被され、ニセの葉っぱでカモフラージュされている。
一般人が見られるようなところに指揮車ばかりが集中しているところを見ると、
秘密の施設ではなさそうだ。おそらく指揮車を使った訓練所なのだろう。


中国ではゴールデンタイムに軍隊モノのドラマが放送されている。
人民解放軍が協力している本格的なヤツだ。
いわゆるスポーツ根性モノなのだが、日本だったら「自衛隊を部隊にした連続ド
ラマ」なんてあり得ないから、「人民解放軍ってこんなんかな?」と想像できた
りしてなかなか興味深かった。


中国では人民解放軍は市民にとって身近なものになっている。
街のいたるところで緑色の軍服を着た兵士を見かける。
たいてい買い物をしているだけなのだが、非番でも軍服着用が義務づけられてい
るのだろうか?
軍用品を販売している店も多い。私はミリタリー・マニアではないので、ホンモ
ノかどうかは知らない。
街中で迷彩服を着て歩いている男性をよく見かけるが、アレは単なるファッショ
ンである。ホンモノの軍人ではない。
名前に「軍」の文字を使っている人も多い。男性だけでなく女性でも有る。
知り合いの男性は「軍」という名前だが、勇ましい名前とは関係なく、細くてき
ゃしゃな感じだ。
「軍」の名前を持つ女性もカワイイ人が多い。(あくまでも個人的な印象だが)
ウチの妻も昔は軍の芸術学校に通っていた。軍属のタレントを養成する学校であ
る。


中国の芸能界は大きく分けて二つある。民間と軍属である。
軍属の芸能人は男女に関わらず常に軍服を着て歌ったり踊ったりしているので、
すぐそれとわかる。初めて見たときは驚いたが、最近では慣れた。
軍でタレントをたくさん抱えて、軍専用の芸能界を構成できるのだから、人民解
放軍は本当に巨大な組織なのだなぁと思う。


バスは山のふもとの団地に到着した。
すぐ脇に丹大高速道路がある。
たぶん十里とかいう場所だ。
バスを降りて一服する。
ぼ〜っと景色を眺めていたらバスが出発してしまった。
次のバスは?と手書きの時刻表を見たら、30分後!
こんな何もないところで30分も待ってられない。


どうする?歩いていくか?
まぁ、いいや。もう一服しよう。


タバコを吸ってたらタクシーがやってきた。
当然、乗る。
さっき来た道を戻って家に帰った。
料金は9元。だいたい4kmぐらいの距離。


通い慣れた道から一歩外れるとそこから先は見知らぬ場所。
だから中国は面白い。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

十里まで行ったのですね?私は現在日本在住ですが妻は二十里出身なので年に一度は帰省しています。金州の中心街は栄えましたが少し離れてしまえば落ち着いた田舎がまだ残ってますね。でも、年々開発されており二十里でも周りには近代的な建物や別荘地が建設され寂しくなってしまいます。発展著しい中国ですが昔の風景は是非とも残して欲しい物です。

花花牌子 さんのコメント...

ある程度の開発は必要なのでは、と私は思います。
道路を造れば車が往来する。
そうすれば、人や物が集まってきて、人々の生活が便利になる。
便利になる前は病気になったら助けられなかった命も、今なら助けられるかも知れない。
ウチの妻の実家は吉林の農村ですが、車さえあれば、とても生活が便利になる、それほど不便な場所に住んでいます。でも道は舗装されていない。物資を運ぶトラックや安い軽自動車タクシーばかりが走っている。日本の感覚とは大違いです。
だから少しでも便利になって欲しいと思う。