2008年5月24日土曜日

最近よく読んでいる小説

最近、西村京太郎にハマっている。


「○○殺人事件」
だいたい○○には地名や特急列車の名前が入る。


私は邦人の作家の作品はほとんど読まない人だった。
邦人作家の作品は当然日本を舞台とするわけで、ただでさえ日常生活でストレス
溜まっているのに、小説でも日常生活の延長のような、つまり自分が住んでいる
街や利用したことがある鉄道などを舞台とした物語の展開は、あまりにも身近す
ぎて余計ストレスが溜まる、というのが邦人作家の作品を嫌う理由だった。


以前も書いたかも知れないが、私は映画ならハリウッド、小説なら海外の作品が
大好きである。
理由は日常生活からかけ離れた場所が舞台となっているから、単純に「人ごと」
として客観的な目でリラックスして楽しめるのだ。


邦人作品を読むようになったのは、単に外国作品を多く読めない環境にあるから
である。
日本ならブックオフなどに行って、海外の小説を気軽に読むことができる。
だがここは中国大連だ。
日本語で書かれた小説に触れる場所は限られている。


私がよく利用しているのは毎週通っている中国語学校。
学校には日本の小説の単行本が数多く揃っている。
だから、毎週のようにいろいろな作品を借りているのだが、海外の作品はあっと
いう間に読破してしまった。
残るは邦人作家の作品だけである。
ならそれを読むしかない。


探偵推理小説が好きな私としては、とりあえずそのジャンルのものを選んで読ん
でみた。
そこで冒頭の話に戻るわけである。


お恥ずかしながら西村京太郎はよく目にする作家名というぐらいの認識であった。
かつて済んでいた北陸地方が舞台となる作品が多く、日常生活をエンタテイメン
トにリンクさせられることを嫌う私としては、もっとも苦手な作家、となるはず
であった。
ところが、日本を離れてもう3年近くが経ち、すっかり大連の生活に慣れた私に
とって、西村京太郎の作品の舞台は「外国ニッポン」として達観した目で見るこ
とができるようになっていた。
現在の日常とは完全にかけ離れた世界。
しかも優れた探偵推理小説、となれば楽しめないはずがない。


そんなわけで、毎週二冊ずつ西村京太郎を読みあさっている次第である。

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