2008年8月30日土曜日

漢字を認識できるということはスゴイことなのだ

オリンピックも終わり、落ち着いた感のある中国ですが、近隣諸国、特に日本か
らいろいろ言われます。


「だから中国はダメなんだ」「中国なんて嫌いだ」


言うのは簡単。
日本も中国からはいろいろ言われているからね。


だが中国に住んでいる私から言わせると、中国のこと批判するよりも、もっとう
まく立ち回ったほうが日本にとって得だろうに、と思う。
今の日本の経済は中国に大きく依存しているので、中国と完全に国交を断絶する
なんてことはナンセンス。


考えてもみて欲しい。
中国は日本のルーツであり、漢字の国だ。今でも日常的に漢字を使っているのは
世界的に見ても中国と日本ぐらいしかないのである。(台湾は歴史的な経緯を考
慮すれば、中国の一部という認識で)
発音は違うので会話は難しいかも知れないが、漢字を書いた筆談なら、なんとか
コミュニケーションができてしまう。飛行機でわずか二時間以内で到着する近く
に、我々日本人以外に漢字を使う国がある、という事実を再認識すべきだ。


私が漢字にこだわるのは、漢字という文字は、物事の意味を深く表すことのでき
る画期的なモノだと思うからである。日本人は幼い頃から漢字を学んでいるので、
直感的に漢字を理解できるが、欧米人はそう簡単にはいかない。
空港のトイレには「洗手間」と書いてある。
日本人は直感で「お手洗い」だな、と理解できる。「手洗」という二つの漢字が
含まれているからだ。空港では英語表記もあるから欧米人でも問題ないだろうが、
一歩空港を出たら英語併記の場所は限られてくる。
漢字を理解できない外国人にとっては、まさしく「未知の国」状態であろう。


我々日本人の名前だってそうだ。
姓名の順序で表記されるのは日本人や中国人にとっては当たり前の事である。
欧米のようにひっくり返るのはどうもなじめない。
我々日本人や中国人にとってまず第一に大事なことは「家族」である。だからフ
ァミリー・ネームが最初に来る。その後に来るのが自分の名前だ。
例えば「田中一郎」さんなら、「田中」というファミリーに所属している「一
郎」という個人、という意味に他ならない。
「田中一郎」が有名になり、社会的に「優れた人物だ」と評価されたなら、それ
は「田中」家にとって名誉なことであり、友人知人に自慢話ができる。
子供に名前をつけるときも、漢字自体の意味あいを考慮した上で親が命名する。
一文字ごとの意味を理解した上で決めていくのだから、スゴイことだ。
アルファベットではこうはいかない。


一部の欧米人が漢字の入れ墨にこだわるのは、漢字自体が持つ意味の重大さに魅
せられるからなのかも知れない。

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