時刻は夜の9時半。
マンションの一階扉を開けて通路を歩く。
やっと家に戻ってきた、という開放感。
エレベータに乗れば、そこはもう家みたいなもの。
だが、次の瞬間、私はなんとも言えない絶望感に襲われた・・・
エレベータのボタンが無い・・・
ボタンはパネルごと無くなっていた。
一日のハードな仕事を終えて、マンションにたどり着き、「さぁ、後はエレベー
タに乗るだけ」という時にエレベータに乗れない、という絶望感・・・。
エレベータなんて「門」みたいなもの。まさか、最後の最後に家へ入れないなん
て・・・。
嫌、入れないわけじゃない。14階まで階段を上れば済むことだ。
よく見ると張り紙がしてあった。
「ただ今、修理中。エレベータは2階から乗れます。」
あぁ、そうか。2階まで行けばボタンがあるんだった・・・。
当たり前のことを指摘されて、妙に感動してしまった。
疲れている証拠である。
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