とある軽軌の駅前。三輪車しかないのでそれを利用しているだけなのである。
初めて乗ったのはヒルトン(現日航ホテル)の前からロシア街まで。
料金は確か4元ぐらいだったと思う。
薄くて頼りないドア。やかましい原付エンジン音。およそ快適とはかけ離れた乗
り物なのだが、中国ならではの情緒を感じさせてくれるので、個人的には結構気
に入っていたりする。
どういうところに情緒を感じるのか。
とにかく三輪車はゆっくりと走る。
それほど早くは走れないようだ。
ゆっくりと走るということは、周りの景色もゆっくりと動く。
そうするとタクシーに乗っていた時の速度では見過ごしていた周りの景色をゆっ
くりと堪能できるのだ。
言うなれば馬車の乗っている感覚だろうか。馬車に乗ったことは数えるぐらいし
か無いのだが、とにかく不思議な感覚なのである。
東北地方ならではの、ゆったりとした丘陵地帯。
冬の寒空は蒼く澄んでいて雲一つ無い。
そういう場所を三輪車はのんびりと走る。
あぁ、ここはかつて満州と呼ばれた地なんだなぁ、と一人悦に浸ったりする。
これで仕事じゃなければ最高なのにねぇ・・・と思ったりするが、よくよく考え
てみれば、仕事でもなければこんな場所で三輪車に乗ってないな・・・。
そんなわけで、今日も三輪車に乗って、お仕事してます。
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