2008年12月2日火曜日

久しぶりに日本へ帰ってみて

大連とは違い、空港から実家までは長丁場である。
なので、飛行機を降りてまず向かったのはトイレ。
空港のトイレは清潔で静かだ。
出すものも出したし、あっ、紙はトイレに流していいんだっけ。
ここはもう日本だった。


かなり端っこのゲートに駐機されたらしく、「動く歩道」を相当数歩いた気がする。
やっと入国審査か、と思いきや、そこはシャトル乗り場。
乗り物好きの私だが、成田の超距離短いシャトルは正直面倒だなぁと思う。
トイレで時間をくったので、乗客はまばら。代わりにさっき乗ってきた飛行機の
パイロットや客室乗務員のお姉さんたちがたくさん乗ってきた。
中国人パイロットが白人パイロットと下手くそな英語で会話をしている。どうや
ら今夜は街へ繰り出して、どこへ遊びに行こうか相談しているらしい。私の側の
空港スタッフの若い日本人女性が当然英語がわかるのだろう、「まったく男の
人って・・・」という表情をしている。シャトルが到着すると、その女性はそそ
くさと出て行った。


入国審査のホールへ到着。係員に「日本人のかたはこちらへどうぞ」と案内される。
人はまったく並んでいない。一方、外国人の窓口にはずらっと人の列。ちょっと
優越感を感じる。だから小日本とか言われるんだろうな・・・。
「あれっ?出国スタンプは?」と係官から質問される。
なにしろ一年半ぶりの帰国だ。成田からは3年ぶりになる。そのことを説明し
て、スタンプの場所を教えるとすんなり納得してもらった。


荷物受け取り場でスーツケースが出てくるのを待つ。
意外とすぐに出てきた。
トイレに寄っていたからだな、となんとなく納得する。


さて、問題の税関だ。
税関に申告する用紙はちゃんと記入してある。
お酒も3本だけ。別にやばいDVDとか持ってきてないし。ニセモノグッズも持ち
込んでいない。
スーツケースには南京錠がかけてあるので、開けるように言われるかも知れない。
台の上にスーツケースを載せようとしたら、係官の人から「いいですよ」と言わ
れ、すんなり税関をパスした。まぁ、事前にX線検査をしたから問題なかったの
だろう。


出口のすぐ前にリムジンバスのカウンターを見つけた。
さっそく受付に行くものの、最終バスが出てしまった後。
仕方なく京成スカイライナーの受付へ行って切符を買う。
近くに公衆電話を見つけたので実家へ電話。
リムジンバスに乗れなかったのでちょっと遅くなる旨伝える。
あっという間に20円が無くなったので電話を切る(ケチな私)。
改札口の近くで自動販売機を発見。「DAKARA」を購入。
やっぱり日本の清涼飲料水は美味しい。


ホームに降りて列車を待つ。
成田空港第二ターミナル駅は単線である。複線じゃないのかと一見思うのだが、
向こう側に見えるのはJRのホームだ。だから成田空港第一ターミナル行きの列車
や上野行きの列車が同じホームへ交互に到着する。
ベンチに腰掛けて列車を待つ。3mぐらい離れたところのベンチに一人のおじい
さんが腰掛けている。
帰国したばかりの小太りのおじいさんなのだが、鼻の両穴にティッシュを詰め込
んでいる。
うわっ、風邪かな・・・。感染さないでくれよなぁ、と思った。
列車が到着した。荷物を持って乗り込む。私の後に30際ぐらいの女性が大きな荷
物を持って乗り込んできた。荷物置き場の下段は私の荷物を置いたら最後だ。後
は上段に置くしかない。
重たいスーツケースを女性の力で持ち上げるのは無理だろうと判断。私のスーツ
ケースを奥まで押して、女性のスーツケースを入れられるようにしてあげたら感
謝された。
「どちらまでですか?」「えっ?」「もし降りる駅が私より前だと悪いので」
「あっ、なるほど。日暮里で降ります。」「それなら私と同じですね。」「そう
ですね。」
気配りの日本人同士の会話である。あぁ、ここは日本なんだなぁ、と心温まる一
瞬だった。


だが、良いことばかりは続かない。
例の両鼻紙のおじいさんは、同じ車両、しかも通路を挟んで向こう側の席に座っ
ていた・・・。


全席指定席。検札があるだろうから勝手に席を移動するのもマズイ。
仕方がないので覚悟を決めて座った。
すぐ側の空調の機械音がうるさい。
真下に座っている人はもっとうるさく感じるだろうなぁ。
目をつぶって寝ようと思うのだが、飛行機の中でさんざん寝たので眠くない。
京成スカイライナーは下町の狭い場所をぬうように走る。
窓の外の景色を見ながら、ぼーっと過ごす。
東京はやっぱり車が多い。道も狭い。
さすがに夜なので人通りも少ない。


気がついたら、もうすぐ日暮里に到着である。
荷物置き場で先ほどの女性とまた会う。
ホームに降り立つ。やけに通路が狭い。女性と「エレベータはどこですか
ねぇ?」と言いながら探す。
駅員に尋ねて場所を教えてもらった。
エレベータに乗りながら世間話をする。
オーストラリアからの帰国だそうだ。オーストラリアは夏である。日本は寒く感
じるのだろうか?デリカシーの無い私は、日本はどうですか?という質問をせず
に、「日本は暑いですねぇ」と言い放つ。
「私は中国の東北地方の大連から帰国してきたのですが、今朝は零下で雪が降っ
てましたよ。東京はぜんぜん寒くない。むしろ暑いですよ。ほらこんなに汗かい
ている」などとマヌケなことを言った。
わずか100mにも満たない距離を一緒に歩きながら、一方的な雑談をして、もう二
度と会うこともないだろうと思われる人に「お気を付けてお帰りください」みた
いなことを言ってお別れした。


変な人だと思ったろうなぁ。


(つづく、かも知れない)

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